南海トラフ地震や津波への防災対策として、地震予測システムが田辺市の和歌山南漁業協同組合に導入されることになり、このほど、調印式が行われました。調印式は田辺市江川(えがわ)の和歌山南漁業協同組合本所で行われ、セキュリティ事業を行う富士防災警備株式会社との間で契約が結ばれました。
このシステムは、「S(エス)-CAST(キャスト)地震予測システム」と呼ばれ、地震発生前と発生時での活断層のアルファ線やガンマ線の放出量の変動を専用観測器を通じて測定し、観測データを解析することにより地震前兆現象を1週間から10日前に知ることができるというものです。
データは、700人に上る組合員らのスマートフォンやタブレットに1週間に一度定期配信され、震度6以上の観測時には緊急配信されます。
システムを運用する富士防災警備は、京都大学をはじめとする複数の大学や天文台の研究者との共同研究でシステムを確立し、平成27年には特許庁長官から特許の認定を受けています。
全国漁業協同組合の中では初めてのシステム導入となり、和歌山南漁業協同組合の担当者は、「漁業を行う人たちの生命と財産を守る視点から導入を決めました。地震への防災対策を強めていきたい」と話していました。